2018年05月15日

パリ協定と日本の現状

『パリ協定と日本の現状』のイメージ画像

トランプ米大統領が脱退を表明したことで話題になったパリ協定(COP21)は、2020年以降の温室効果ガス排出削減等のための国際枠組みで史上はじめて全ての国がが合意して採択された協定です。2015年に結ばれた同協定は1997年に採択された京都議定書から18年を経ており、その間にはさまざまな紆余曲折がありました。

国内では東日本大震災による福島第一原発事故により、原子力発電所の多くが稼働を停止したことで、CO2排出量が非常に多い火力発電に頼らざるを得ないなど、合意後に思わぬ事態も発生しました。目標達成が危ぶまれる中、さまざまな取り組みが急ピッチで進められています。

■パリ協定が制定された経緯

 1997年に京都で行われた「国連気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)」では、地球温暖化対策の取り組みについて「京都議定書」が採択されました。この議定書では地球規模の気候変動を抑えるため、2008年から2012年までに各国が実現すべき目標が定められました。先進各国については、この期間に1990年比で5%の温室効果ガス削減が求められ、国ごとの割り当てでは日本は6%の削減に合意しています。

一方、パリ協定は2015年11月30日~12月13日まで開催された「国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)」で採択されました。協定の採択には規定数(55カ国)の同意が必要とされていたため、発効が危ぶまれました。しかし、最終的には欧米や日本などの先進諸国に加え、中国やインドなどの新興国も批准したため、発効されることになりました。

同協定では世界の平均気温の上昇を2℃(できれば1.5℃)以下に抑えることを目標に掲げ、気候変動に対し、世界規模での対策を行うようにまとめられています。具体的には主要排出国をはじめ、すべての国がCO2の削減目標を5年ごとに提出・更新することが盛り込まれており、一定の実効性がある合意として評価されました。

パリ協定を批准した日本は中長期計画として、「2030年度までにCO2排出量を2013年度比26%減とする」「2050年までに同、80%減とする」などの目標を立てています。ただしこれは非常に思い切った目標であり、実現はきわめて厳しいともいわれます。

■エネルギー問題にターゲットが置かれた日本の現状

背景にあるのは、エネルギーを大量に使う生活や産業のスタイルです。日本のCO2排出量は世界第5位と多い上、国民1人当たりで換算すると、アメリカ、韓国、ロシアに次ぐ4位にランクされます。国単位の排出量が最も多く、世界の3割近くを占める中国は、1人当たりで換算すると日本の2/3程度に留まっています。

このことからも日本人のライフスタイルが、いかにエネルギーを浪費するものであるかがうかがえます。環境省では、2020年以降の新たな温室効果ガス排出を2013年度比で25%以上削減することを目指しています。そのためには、石炭や石油、ガスなどの化石燃料に頼った生活そのものを見直すことが必須です。特に、新たな技術によって温室効果ガスの削減を目指す取り組みに期待が集まっており、太陽光発電をはじめ、スマートハウスやエコ家電など一般家庭で利用できるものも増えています。

環境に優しい設備の導入にはコストがかかりますが、国から補助金を支給するなどの支援も厚みを増してきました。東日本大震災により、全国の原子力発電所が一次停止したことなどを受け、新たなエネルギーを模索する動きも活発化しています。リスクが高い原子力発電や環境負荷の大きい火力発電などに依存しない電源構成を実現するため、国家レベルでの変化が問われているのです。

■太陽光発電とその他の工夫で目標達成を目指す

 CO2排出を少しでも減らしてパリ協定を遵守できるよう、国内では再生可能エネルギーの利用に力を注いできました。そのひとつが太陽光発電です。太陽光発電におけるCO2排出量は1kWhあたり20~40g程度とされています。発電時にはCO2を一切排出しないため、設備の製造時に発生する分を換算すると、そのような発生量になると考えられています。

一方、火力発電におけるCO2排出量は1kWhあたり700g程度とされており、太陽光発電の30倍程度です。一般家庭の電力を太陽光由来に切り替えると、約1tもの石油を削減できるともいわれており、そのCO2削減効果は絶大です。太陽光など自然由来のエネルギーを大切に活用する施策が、パリ協定遵守のカギとなるため、クールビスやゼロエネルギーハウスといった、ソフト・ハードの両側面からの取り組みも近年は積極的に進められるようになりました。今後もこういった多面的な取り組みが続けられるものと見られます。

地球の温暖化対策のカギともいえるパリ協定は、国をあげてエネルギー対策を考えるきっかけとなっており、最近では省エネ意識の高まりなど一般家庭の生活スタイルにも影響を及ぼすようになりました。実現が厳しいといわれるCO2削減量の目標値をなんとかクリアするため、官民一体となった努力が続けられています。

蓄電池のプロフェッショナルが社内に常駐!
不測の事態にも対応可能だから安心

ネクストエナジーにご相談ください!
お問い合わせはこちら
お得で役立つ情報満載の
無料メルマガ購読もこちらから
  • ソリューション

    ソリューション

  • 製品情報

    製品情報

  • コラム

    コラム