2018年07月13日

FITで電気料金高騰?ドイツの事例に何を学ぶか

ものごとの将来を予想するときには、一歩先を行っている国の状況を見ると具体的な未来の姿が見え、問題点や対策が分かってきます。太陽光発電については、早くから再生可能エネルギーへのシフトを目指し、日本に10年以上先駆けて、FITなどの政策を進めてきたドイツが参考になります。

ドイツは欧州圏の中でもエネルギー政策について先進的な取り組みを進めてきました。しかし、近年は電気料金の高騰が社会問題になるなど、現状はあまり芳しくありません。そんなドイツの姿から、日本の未来像をさぐってみました。

再生可能エネルギー最大85%の電力供給

ドイツにおけるFITの歴史は古く、1991年にまでさかのぼります。導入された当時、20年買取という条件はあったものの、価格的なメリットがほとんどなかったので、再生可能エネルギーの普及を後押しする効果はほとんどありませんでした。

その後、制度の改正が何度も行われ、2004年にはそれまでの価格を大幅に上回る買取制度が導入されたため、一気に太陽光発電が普及するきっかけになりました。2017年4月30日の日曜日には、国内で消費される電力の85%を再生可能エネルギーで賄うという快挙を達成したと報じられています。

もっとも、この日は休日だったため、電力を大量に消費する工場などが操業していなかったなど、有利な条件があったといわれます。風が強かったため風力発電の発電量が増え、晴天だったため太陽光発電の発電量が多かったなど、好条件が揃った結果ではあるようですが、それでも8割以上を再生可能エネルギーで賄ったという実績には、太陽光発電先進国の実力が垣間見えます。

同国では2014年に施行された再生可能エネルギー法改正で、再生可能エネルギーが発電量に占める割合について、2020年に35%、2030年に50%、2040年に65%、2050年に80%という目標を掲げました。2017年に85%を達成したわけですから、30年以上も前倒しできたことになります。

一方、日本の環境省が掲げる目標は2030年に再生可能エネルギーによる発電が30%以上になるというものです。国内でFITが導入されたのは2012年と、ドイツとはスタートの違いがあるものの、かなり後ろを走っていることは否めません。

■賦課金の負担で電気料金は高騰

 太陽光発電の普及率では先を行くドイツですが、一方では電気料金の高騰という問題を抱えています。2000年から電気料金がほぼ一直線で上昇し続けており、家庭用の電気料金単価が2014年には2000年の2倍以上という水準まで高騰したのです。

こういった状況を打破するため、2015年には再生可能エネルギーをもとに発電された電力について入札制度が導入されましたが、電気料金の高騰は止まる気配がありません。現在、欧州で最も電気料金の高い国として知られています。

背景にあるのは電力自由化とFITを支える賦課金です。ドイツでは1998年に電力の完全自由化が実施されましたが、大手の市場寡占が進み、電力価格を引き下げる効果は生まれませんでした。

FITを支える賦課金ついても右肩上がりの増額が続いており、2000年には0.2ユーロセント/kWhだったのが、2018年には6.79ユーロセント(8.9円)/kWhと18年間で34倍にも膨らんでいます。標準的な家庭の電気料金に占める割合は54%と非常に高く、「再生可能エネルギー普及のために電気料金を支払っている」といっても過言ではない状況です。一方、日本における賦課金は2.90円/kWhです。ドイツの1/3にも満たない額であり、相対的にはまだかなり低いといえます。

■日本における太陽光発電の未来像

 日本における太陽光発電の導入量はFITが導入された2012年を境に急増しています。買取価格が高めに設定されたため、設置すれば簡単に収益が生まれるという状況になり、普及に拍車がかかったのです。

導入量が増加すると、FITを支えるための原資がより多く必要になります。そのため賦課金の増額が続いており、前述のように2018年5月からは2.90円/kWhとなっています。2012年にスタートした当時は0.2円/kWhだったので、6年で15倍以上に増額されたことになります。2016年の2.25円と比較しても28%もの増額であり、まだドイツのレベルには遠いものの、急騰している様子がうかがえます。

標準家庭における賦課金の負担額は年間10,440円となっており、家計に対する負担がジワジワと感じられる金額になってきました。電源における再生可能エネルギーの割合、30%を目標としている2030年にはFTIの原資として約4兆円の資金が必要とされており、今後も賦課金の増額に伴って、電気料金が高騰する可能性は非常に高いといえそうです。

FITの買取価格は右肩下がりで減額されていて、2018年は26円(10kW未満)となりました。導入費用を賄うのが難しくなりつつある、という声も聞こえてきます。また、電気料金が高騰すれば、発電した電気を「売る」よりも「使う」、自家消費の意味は非常に大きなものと感じられるはずです。

そこで、太陽光発電メーカー各社は、自家消費への移行する人が増えることを見越して、発電した電気を効率的に使うための蓄電システム導入を積極的に提案しています。余剰電力を貯めてそのまま自宅で使えば、電力会社からの電気購入を抑えて光熱費の節約にもつながるからです。

以上のことから、新たなビジネスチャンスとして、蓄電システムが未来の太陽光発電の鍵を握るといわれてます。

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